11月のある日、訪ねてくれたミヒャエル・モースブルッガー氏(通称ミッヒさん)。
オーストリアの銘醸地カンプタールで1171年まで遡る歴史をもつ”シュロス・ゴベルスブルク”はもともとシトー派ツヴァッテル修道院が所有・運営を行ってきたワイナリーですが、ミッヒさんが1994年に50年のリース契約で所有権を取得して、現在素晴らしいワインを造られています。
お手頃な地方名がつくジェネリック・ワインから村名ワイン、”Ried(リート)”からはじまる単一区画の名が付く高級ワインまで手掛けられていますが、日本のワイン好きな人たちに、フランスでいうところのグランクリュ(特級畑)のものを味わってもらい感想を聞きたい・・と、リート・ハイリゲンシュタインなど、ワイナリーの代表作をもってきてくれました。
このクラスのワインを試飲する機会はあまりなかったのですが、それはもう・・素晴らしいという言葉しか思いつかない・・プロとして恥ずかしいですが、絶句するという状況となりまして。(いえ、感想はしっかり伝えましたが)
ジェロボアムのような小さい店の棚に、このインパクトのあるラベルがずらりと並ぶと、どんだけこのワインに入れ込んでいるんだろうと思われるかも・・などという考えは吹き飛んで、ほぼひと通り仕入れました。
どれも個性がくっきり出ていて素晴らしいのですが、200年前にこの修道院で造られていた頃の方法で・・と、ミッヒさんのこだわりが表れたトラディツィオン。酸化を敵とせず利用していく造り・・その結果、大らかで優しく、探らずともすべてが伝わっていくような・・まさに癒しの味。これはどなたにもお薦めできます。
今年テイスティングしたワインの中で、個人的ベスト3は確実というワインもあります。お安くはないかもしれませんが、お正月に飲むのにお薦めです!これを飲んで清々しい気持ちで、新たな一年を迎えてはいかがでしょうか?(価格は税込)
リースリング Ried ガイスベルク 2016(¥4700)
リースリング Ried ハイリゲンシュタイン 2016 (¥7800)
リースリング トラディツィオン 2014(¥6800)
グリューナーフェルトリーナー トラディツィオン 2015(¥6800)
グリューナーフェルトリーナー Ried ラム 2016(¥8000)
ピノ・ノワール レゼルヴ 2015(¥6900)

